至善館MBAの特徴

リーダーシップの旅が、ここから始まる

生成AIが急速に発展するなか、教育のあり方が大きく問われています。至善館のパラダイムは、From Knowing to Doing and to Being。設立母体であるISLが、25年前から実践してきたパラダイムであり、世界の先進的ビジネススクールでの潮流でもあります。

生成AIが急速に進化するなか、旧来型のKnowing(知ること)は急速に意味を持たなくなっています。また不確実性が高まるなか、事前にいくら分析しても、未来を明確に見通すことはできません。

骨太なスキルはいまだ重要ですが、大切なことはDoing(行動すること)であり、Doingを通じて、未来の輪郭を自らの手で明確にしていくことです。そして、このDoingの中で不可避に生まれるチャレンジとの格闘が、私たちを、人として、そしてプロフェッショナルとして成長させます。この確信こそが、至善館がリーダーシップに焦点をあて、そのカリキュラムをリーダーシップの旅の出発点として位置づける理由に他なりません。

では、Doingの根底にあるものは何でしょうか。それは、リーダーがもつ志、価値観、そして哲学といったBeing (自分であること)です。自分が大切にするもの、人生の目的とするもの、実現したいと望むものとの出会い、発見、確認が、リーダーシップの旅をガイドします。

こうした教育パラダイムのもと、「リーダーシップの旅」を支援することが至善館のMBAプログラムの基本理念です。以下では、至善館MBAの特徴をご紹介します。

1. 開拓者精神溢れる挑戦者の育成と支援

時代が大きく変わるとき、ビジネスも、組織も、社会も、そして人類も、現状に安住することなく新たな未来を切り拓く、「変革と創造」に挑戦するリーダーを必要とします。しかしながら、最初からリーダーである人は存在しません。人は挑戦を通じて、仲間や支援者の協力を得て、ビジネス、組織、そして社会に、大きな変化のうねりを生み出していくのです。そして、人はこうした挑戦の結果としてリーダーへと成長してゆくのです。

こうした考えのもと、至善館では、リーダーシップを「まだ見ぬ未来を作り出すために自らを駆り立て、行動していくこと」と定義すると同時に、時代が必要とする、開拓者精神溢れる挑戦者の育成と支援にコミットしています。そしてこの観点から、至善館プログラムを、卒業後も続く「リーダーシップの旅」の出発点として設計しています。

具体的には、現実との対峙の中で「問いをたてる」力を育み、自身を起点に、まだ見ぬ未来を描く力を涵養すると同時に、変革と創造に取り組むにあたって必要となるプロフェッショナルスキルを磨き、周囲の共感と信頼を得るリーダーシップ能力を向上する機会を提供しています。さらには、挑戦にあたってのロールモデル、潜在的な仲間や支援者との人的ネットワークを構築する機会を提供します。

032_Design①03 (1)
IMG_8838

2. 経営プロフェッショナルスキルの涵養

ビジネスや組織においてのみならず、社会においても、リーダーシップを実践し、変革と創造に挑戦するためには、経営プロフェッショナルとしてのスキルが不可欠です。そして、そこで求められるスキルは、生成AIの指数関数的な発展のなかで、日進月歩で変容しています。従来型MBAが守備範囲においてきた知識やフレームワークを持っていることや、特定の機能領域において情報の分析や処理ができることは、急速にAIが人を代替しつつあります。これからのプロフェッショナルが担うべきことの一つは、事業やその環境を踏まえ「我々は何を問うべきか」を考える力です。至善館では、現在進行系の挑戦として、「問いを立てる力」を一つの軸に、スキル教育のあり方のアップデートを続けています。

開学以来、至善館では、未来を構想する力に大きく焦点を当ててきました。自身の内面から生まれる想像力を起点とする「アート思考」や、人や社会の潜在ニーズ・ウォンツを起点に構想していく「デザイン思考」をカリキュラムの中核に取り入れ、さらには、科学技術イノベーションなどの破壊的な変化の潮流と向き合い、過去からの延長線上ではなく、目の前の現実を飛び越えて創造的に未来を構想する「非連続な思考」に重点をあててきました。後述するリベラルアーツ教育も、人間存在や社会というものの本質を掘り下げることで、歴史と世界を動かすドライバーを洗い出し、未来への想像力を喚起するという点において、構想力を育むものとして位置づけています。

但し、未来を構想しても、その構想はあくまで仮説にしかすぎません。経営プロフェッショナルには、自身が描いた構想の有効性を検証することが同時に求められます。そして、この領域こそが、伝統的MBAが得意とし、ファイナンス、アカウンティング、コントロール、マーケティング、ストラテジーなどのMBA的科目で培ってきたものに他なりません。至善館では、これらの伝統的MBAの知見を骨太に再編しカリキュラムに織り込んでいます。断片的な知識やフレームワークではなく、それらを活用して、仮説を数字やデータで検証し、その論理的一貫性を問い、その優位性や持続可能性、汎用性を戦略的思考でブラッシュアップできる力、つまり、「定量的分析手法、論理的・戦略的思考」の涵養が、カリキュラムの設計思想となっています。この文脈において、ビジネススクールの教育手法と、デザインスクール、さらにはイノベーションスクールの手法を独自に結合することで、変革と創造を牽引できる経営プロフェショナルとしてのスキルの修得を促さんとするーーこれが至善館の基本アプローチです。

この、経営プロフェッショナルに求められる、未来を構想すると同時に構想を検証する力は、生成AIの進展によって、その重要性・必要性が急速に変化しています。至善館では、こうしたスキル教育を、生成AI時代の「問いを立てる力」に統合すべく、試行錯誤を続けています。

3. 経営政策による包括的視座の開発

未来を構想し具現化するには、器(Vehicle)となる事業やプロジェクトと、それを支える組織体制が必要です。そしてリーダーには、事業、プロジェクト、組織の全体を理解することが何よりも求められます。

残念ながら、伝統的MBAが抱える課題の一つが、教育の細分化、サイロ化です。経営を構成する諸要素であるアカウンティング、ファイナンス、オペレーション、マーケティング、戦略といった科目が、それぞれ、要素分解されたパッチワークの知識とフレームワークとして提供され、それらを包括する経営とのリンクが欠けてしまうことが多いのです。こうした問題意識から、至善館MBAでは、事業・組織・経営の全体像を俯瞰的に捉える経営政策(Business Policy)を教育の中核に捉え直し、アート思考、デザイン思考、非連続思考、定量的分析、論理的思考、戦略的思考といった経営プロフェッショナルスキルを、絶えず経営に紐づけながら涵養する挑戦を行っています。そこでは、未来への挑戦を、絶えず、事業と組織の責任を負う企業家、あらたに事業を作り出し組織を開発する起業家、あるいは活動を通じて社会課題解決に挑む社会リーダーの視点で洞察します。

従い、至善館MBAは、マーケティングやファイナンスといった機能領域のスペシャリスト(専門家)育成を目指す一部のビジネススクールとは明確に一線を画し、経営者人材・起業家・社会リーダーの育成に特化しています。今後、AIエージェントの展開が進む中、機能別のスペシャリストは、その有用性が加速的に低下していくであろうと想定されます。しかし、複数の機能を横断・統合し、俯瞰的視点から、自ら問いをたて、問いにそって判断を下し行動し、その行動に責任を負う企業家、起業家、社会リーダーは、その必要性が問われ続けるというのが至善館の確信です。

PAT00752
IMG_4401

4. WHYを問う独自のリベラルアーツ教育

経営プロフェッショナルとしてのスキルや経営政策の視座は、物事を成し遂げる上で不可欠な力です。しかしそれらは、「どうやって」何かを成し遂げるかのための「手段」であり、「何のために、誰のために」、「何故」それを成し遂げるのかという「目的」を問うものではありません。不確実な未来に向けて自ら一歩を踏み出していくためには、「手段」だけでは不十分であり、自身の価値観に基づく「目的」を掲げることが不可欠です。それゆえ、至善館の設立母体であるISLでは25年前から、目的を問わず手段のみの修得を促す教育には、大きな欠点があると考えてきました。至善館では、この「目的」を問うため、ISLが培った知見をもとに、リベラルアーツ教育を独自の形で提供しています。具体的には、哲学を起点に、歴史、宗教、社会学、人類学、生物学、科学、芸術などを大胆にカリキュラムに組み込み、歴史観・世界観・人間観を問い直し、リーダーに求められる判断・行動・選択の基軸となる価値観の確立を手助けせんとしています。

同時に、リベラルアーツは、社会や経済のあり方が大きな転換を迎えている今日において、経営プロフェッショナルとして世界の現状を理解し、未来を洞察するための基盤ともなります。分析と検証に重点をおいてきた伝統的MBAは、この点、大きな視座と知見を提供できずにいます。至善館では、過去から現在、そして未来へと続く時代の潮流と、グローバリゼーションとイノベーションのなかでの世界や社会、そして人間存在の変容を読み解く深い洞察力を、リベラルアーツを通じて涵養します。その意味で、リベラルアーツが、未来を拓くリーダーにとっての新しいスキル教育の柱でもあるのです。

このリベラルアーツ教育の重要性は、AIの時代において、ますます高まっていくと私たちは確信しています。それは、時代の潮流を読みとった上で、自身の価値観のもとにどのような未来を実現するのか−すなわち「目的」―を定めることこそが、人間であるリーダーが担うべき役割であるからです。

5. 人を動かす力を育む

人と組織を動かし、社会に価値とインパクトを生み出すのが、リーダーの挑戦です。リーダーシップは自分を起点とするものですが、自分だけでは当然何もできません。従い、周囲の人たちの協力や支援を得ることが、挑戦の成否の鍵を握ります。

至善館のカリキュラムは、この「周囲の人の協力や支援をえて、組織や社会を動かす力」に焦点をあてています。組織には、階層が存在し、そこではポジションと権力(オーソリティ)が影響力の源泉となっています。しかし、組織の肩書で人を動かすだけでは、真の意味で人の協働を生み出すことにはなりません。人が自由意志で、リーダーの挑戦に共感し、かつリーダーを信頼し協力をするとき、人と人との協働が組織や社会に生み出す力へと昇華されえます。とりわけ、変革や創造といった未知の未来と向き合うときには、この肩書を超えた人の共感と信頼をどう得ることができるかが重要となります。

至善館MBAでは、この「肩書に頼らずに、人の共感と信頼を得る力」を涵養するため、グループでの体験型ワークショップ、アセスメントと仲間からのコーチング・フィードバックなどを中核に、様々なアプローチを採用しています。とりわけ、至善館の多国籍なクラスルームでは、出自、信条、宗教、価値観が大きく異なる個人が集まります。多文化環境下で人の協働を誘発するには、自分という存在を理解したうえで、異なる相手を認めることが不可欠です。「一人ひとりが等しく人間である」というヒューマニティの尊重を根底に置きながら、「自分は、そして他者は、それぞれ何者で何を大事にしているのか」を理解し、自身のアイデンティティの確認とともに、異なる価値観を持つ他者を尊重し承認するという感受性、マインドセット、姿勢を涵養することに重点を置いて、カリキュラムを設計しています。

post 3
IMG_7408

6. 全人格性とインテグリティ

現代の経済システムにおいて、ビジネスと企業は大きな影響力を、人と社会、さらにはプラネットに対して持っています。従い、経営リーダーには、単なるビジネスや企業のリーダーとしての責任だけではなく、社会やプラネットに対する責任を自覚できることが不可欠であると至善館は考えます。そしてこれが、至善館が「全人格」な経営リーダーの重要性を強調する理由でもあります。

全人格性とは、いわば多数の人格を自分の中に併せ持つことです。私たちが目指すのは、ビジネスや企業のリーダー。そのリーダーは、社会のリーダーでもあり、そしてプラネットの未来を左右するリーダーでもある。ビジネス、企業、社会、プラネットという多重のステークホルダーに同時に向き合うのが全人格リーダーの挑戦であり責務ですが、こうした複数の責任を同時に負うことは、ときに、矛盾を抱きかかえることでもあります。ビジネスにとってはいいが、プラネットにとっては必ずしもプラスではないというようなことが一般に発生するからです。至善館MBAでは、企業論という至善館独自の科目を出発点に、リベラルアーツ科目を通じて、学生一人ひとりが、ビジネスや企業の、コミュニティや社会、さらにはプラネットとの関係性を問い直し、矛盾と対峙する機会を提供しています。

こうした矛盾と対峙するうえで、最終的に重要となるのがインテグリティです。とりわけ、生成AIのみならず合成生物学や遺伝子工学など、科学技術イノベーションの展開が人類に大きな光と影を投げかけるなか、インテグリティはリーダーにとってもっとも重要となる資質にほかなりません。しかし、インテグリティは、教育で教えられるものではなく、学生が、内面の葛藤と向き合いながら、自分に言い聞かせ、自分に課すものです。従い、教育には自ずと限界はあるものの、至善館MBAでは、随所随所において、インテグリティの問いかけが重ねられています。

7. 世界五大陸のパートナーとの協働を通じた教育研究の推進

至善館は、日本に誕生したグローバルな経営大学院です。スペイン・バルセロナのIESEビジネススクール、インド・デリーに本拠を置くSOIL(School of Inspired Leadership)、ブラジルのFGV(Fundação Getulio Vargas)などを中核パートナーに持ち、教員の交換・派遣、教育ワークショップの合同実施、グローバル経営とリーダーシップ教育の未来についての共同研究において、組織連携を行っています。また、至善館では、日本中華總商会をはじめアジアに広がる華僑ネットワークとの連携も行っています。その他、米国、カナダ、英国、フランス、ベルギー、オランダ、デンマーク、メキシコ、ナイジェリア、南アフリカ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイ、バングラデシュ、香港、韓国等、世界中のビジネススクールと共に、資本主義の未来と企業の責任や役割を探求する教育プラットフォームを運営しています。

同時に至善館は、欧米のビジネススクールや教育機関、諸団体と積極的に協働し対話しながらも、日本発・アジア発の教育機関として、独自のアプローチを追求しています。20世紀末からめざましい経済発展を遂げ、いまや世界経済の中心となったアジアですが、アジアには、主客非分離の一元論、他者や自然との共生観、人間性の探求など、独自の伝統文化、精神土壌が存在します。至善館では、西洋の主客分離の二元論、個人主義、合理性の追求といった伝統を尊重しながらも、比較文明論、東洋思想や、禅・瞑想をカリキュラムに取り入れることで、西洋とアジアの思想の橋渡しを行い、未来に求められる経営やリーダーシップのあり方を追求しています。同時に、アジア各地のビジネススクールと共同で、インド、日本(京都)、香港・深圳などへのスタディ・トリップを催行し、座学にとどまらない体験機会を学生に提供するとともに、アジアの視点からの持続可能性の担保とウェルビーイングの実現のための議論を行っています。

Noda-san and Franz

Demos

Color Skin

Header Style

Layout

Wide
Boxed