「Future of Capitalism (資本主義の未来)」プログラム(第3期)が開講されました
2023年02月03日
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至善館は、IESEビジネススクール(スペイン)と共同で、世界各国の提携校とともに、オンラインプログラム「Future of Capitalism: Exploring Roles and Responsibilities of Business and Leaders」(FOC)第3期を開講しました。グローバルなマネジメント教育における変革のきっかけとなるべく企画されたこのプログラムは、世界から180名を超えるMBA生が集い、「どうすればよき祖先(Good Ancestor)となれるか」という問いに対する答えを探求する、バーチャルなフィールドトリッププログラムです。

 

第1回目のセッションは、プロジェクトの発起人であるフランツ・ホイカンプ教授(IESEビジネススクール学長)と野田智義教授(大学院大学至善館 学長)からのウェルカムメッセージで始まりました。

 

最初のゲストスピーカーは、ポツダム気候影響研究所所長のヨハン・ロックストローム教授で、人類の現状を科学的に俯瞰した上で、次のように述べました。

「人類は重大かつ危うい状況に立たされており、世界経済や資本主義を地球環境と結びつける必要がある。私たちはプラネタリー・バウンダリー(人類が生存できる安全な活動領域とその限界点)を超えつつあり、早急に対策を講じなければ、複数の危機が同時に発生し、相互に影響しあい、強化し合うPolycrisis(ポリクライシス)に陥る危険性がある。」

また、プラネタリー・バウンダリーに至らず、ソフトランディングするための道筋についても触れ、「私たちにはテクノロジーがあり、安全なオペレーション領域に戻るためには、迅速に様々な解決策を講じる必要がある。」と述べました。

 

続いて登壇したのは、現在最も尊敬されているビジネスリーダーの一人であり、『Net Positive』の共著者でもあるポール・ポールマン氏です。Future of Capitalismプロジェクトの主要サポーターでもある氏からは、人類が直面する課題と、プラネタリー・バウンダリーの中で持続可能な存在へと、未来を導くビジネスリーダーの役割について、自身の見解を述べました。

 

ポール・ポールマン氏からは、「今日のビジネスの世界は、もはや利益について考えるだけではなく、ビジネスを行う環境が機能しているかについても考える必要がある」と述べました。『Net Positive』の中で氏は、「問題を作り出すのではなく、解決することで利益を得るにはどうすればいいか」という問いを投げかけています。そして、「あなたのビジネスのおかげで、世界は本当に良くなっているのか?」についても考えてほしいと訴えました。

 

ポール・ポールマン氏は、企業が将来にわたって持続的に繁栄していくためには、再生的・修復的に考える必要があり、それは『Net Positive』であることの本質であると主張しました。そして、周りの人をモチベートし、これまでのビジネスの既成概念に挑戦する気概を持ったリーダーがいれば、企業はネット・ポジティブになることができる、と締めくくりました。

 

基調講演の後は、スピーカーと学生たちとの間で対話が行われました。

 

 

 

次回は、アムンディのESGリサーチ、エンゲージメント、グローバルヘッドであるキャロライン・ル・モー氏と、ボローニャ大学経済学部教授で教皇庁社会科学アカデミー会長のステファノ・ザマーニ教授が、ESG投資とそれが万能薬であるかプラセボであるかについて議論します。

 

 

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