2024年10月1日、至善館とIESEビジネススクール(スペイン)が、経済同友会の支援を受け、「資本主義の未来(Future of Capitalism)」プロジェクトの一環として、日本国内で初めて「ドーナツ経済モデル」を日本に紹介するイベントを開催しました。「資本主義の未来」プロジェクトは、持続可能な未来に向けて、経済システムを再定義するための様々なアプローチを模索する運動として、2021年に開始しました。
基調講演には、ドーナツ経済モデルを提唱したケイト・ラワース氏(ドーナツ経済アクションラボ(DEAL)の共同創設者兼コンセプトリーダーであり、オックスフォード大学環境変動研究所のシニア客員研究員)をお招きしました。ラワース氏のプレゼンテーションでは、地球の環境的な限界を維持しながら、すべての人々のニーズを満たすことを目指す「ドーナツ経済モデル」の概要についてお話しいただきました。その内容は非常に示唆に富んでいて、このモデルを採用することで、私たちは社会の繁栄のためだけでなく、私たち自身が将来の世代にとって「良き祖先(グッド・アンセスター)」となることが大きく期待されるものでした。
ラワース氏のプレゼンテーションに続いて、ドーナツ経済への理解をさらに深めるため、ゲストを招いてのパネルディスカッションが行われました。パネリストには、エリンチ・サハン氏(Business and Enterprise Lead, DEAL)、新浪剛史氏(サントリーCEO、経済同友会会長)、山本一太氏(群馬県知事)、野田由美子氏(ヴェオリア・ジャパン株式会社代表取締役会長)が参加しました。パネルディスカッションでは、企業や地方自治体におけるドーナツ経済モデルを実際どのように実践できるかについて活発に意見が交わされました。
本イベントには大きな関心が寄せられ、至善館キャンパスには約 70 名、オンラインでは 380名を超える参加者が参加しました。