2025年2月4日に「Future of Capitalism」オンライン公開セッションの第2回が開催されました。スピーカーとして、アムンディ・グループのレスポンシブル・インベストメント責任者であるエロディ・ローゲル氏とともに、ハーバード大学のレベッカ・ヘンダーソン教授が登壇しました。今回のセッションでは、資本主義経済の潮流と有効な規制方法に焦点が当てられ、世界中から参加した200名の学生と共に、責任ある投資戦略や、持続可能性と公平性を促進する資本市場の役割について議論が活発に行われました。
セッションは2部構成で進行しました。第1部では、資本市場の現状と今後の方向性をテーマにエロディ氏からプレゼンテーションが行われました。行き過ぎた資本主義が問題視されている現状の中で、持続可能な市場を実現するための課題と具体的な方策が紹介され、社会・金融・経済が連携したエコシステムを通じて可能となる持続的成長が実現する未来を展望しました。
第2部では、ハーバード・ビジネス・スクールのレベッカ・ヘンダーソン教授が登壇し、自著「Reimagining Capitalism in a World on Fire(邦訳:資本主義の再構築: 公正で持続可能な世界をどう実現するか)」の概要を紹介しました。そして、資本市場の未来や企業システムのあり方について語り、企業が協力して規制環境に働きかけ、変革を推進する重要性を強調しました。
セッションの総括では、エロディ氏、ヘンダーソン教授ともに、持続可能な成長に向けて世界が確実に前進しているとの認識を共有しました。排出量は増えているものの、カーボンフットプリントは減少し、気候変動対策の具体的な成果も見え始めているとの認識を示しました。しかし、今後もこのプロセスは直線的になることはなく、適切な学問的知識の修得と実践的な方策を備えることが不可欠であると指摘しました。