2025年4月24日(木)、至善館キャンパス(東京 日本橋)にて、「循環未来デザインセンター開設記念フォーラム」が開催されました。本センターは、サーキュラー・エコノミーの分野での人材育成と社会実装を推進することを目的として設立されました。当日はキャンパスとオンライン合わせ400名を超える方にご参加いただき、サーキュラー・エコノミーへの関心の高まりが感じられるフォーラムとなりました。
サーキュラー建築の分野で著名なトーマス・ラウ氏は、「Material Matters: From Economy to Edonomy(マテリアルが意味を持つ時代:エコノミーから“エドノミー”へ)」と題した基調講演を行い、私たちが生活する社会システムが変革を求められていることを強調しました。その中で、「未来は思考によってつくられる」と述べ、問題は廃棄物ではなく考え方にあると指摘しました。ラウ氏によれば、持続可能性とは既存システムの最適化であり、真の変革はそのシステム自体の再構築から始まる、そして、循環型経済の創造を「昨日の価格で手に入る明日の鉱山」(補足:将来的に大きな価値を生む可能性のあるものを、まだ安いうちに手に入れることができる状態)と表現し、「私たち自身が問題の原因になるではなく、解決策そのものにならなければならない」と聴衆に訴えました。
講演後に、当センターの共同ディレクターである加藤 佑氏の司会のもと、サーキュラー・イノベーションの分野で活躍する2名のスピーカーがパネルに加わりました。Turntooの共同創設者であるザビーネ・オーバーフーバー氏は、ビジネスモデルを「所有からサービス型のエコシステムへ」と進化させ、社会全体で真の循環を実現する必要性について鋭い洞察を共有しました。そして、長年にわたりサーキュラーエコノミーを日本で推進してきたヴェオリア・ジャパン会長であり、当センターのアドバイザリーボード議長を務める野田由美子氏からは、日本におけるサーキュラー・エコノミーの取り組みについて紹介しました。そして、現在では、経済産業省や環境省の支援を受け、研究機関や大学を含む600以上の組織が参加していることを紹介しました。また、中央、地方政府、学術界、市民社会が連携し、共通の目標を目指す必要性を強調しました。
セッションの締めくくりには活発なQ&Aセッションが行われ、会場からは熱意あふれる質問が相次ぎ、参加者の関心の高さがうかがえました。
循環未来デザインセンターの設立後、記念すべき第1回目のイベントとなった本フォーラムは、これからの挑戦に向けた力強い一歩を示す場となりました。
本フォーラムは、至善館がサーキュラー・エコノミー領域におけるイノベーションの中核を担うというビジョンを体現した、象徴的な場にもなりました。
本センターは今後、学術界、産業界、行政、市民社会を横断的に結びつけるハブとして、国内外のさまざまなステークホルダーとともに、循環型社会の共創を加速する原動力となることを目指します。
センターでは第2弾として、本イベントに続く第2弾として、5月15日(木)にISL至善館キャンパスにて、以下のイベントを開催いたします。こちらもご都合よろしければ、ぜひご参加ください。
「サーキュラーエコノミーとは?
次世代経済モデルが変えるビジネスと社会の未来」 講演者: 野田由美子 (ヴェオリア・ジャパン合同会社 代表取締役会長 / ISL至善館 循環未来デザインセンター議長) 日 時: 2025年5月15日(木)19:00-20:30(18:45より受付) 場 所: ISL至善館キャンパス(日本橋髙島屋三井ビルディング17F|Google Map) ※対面のみでの開催となり、オンラインでの配信は行いません。 イベント詳細と申し込み: こちらよりお願いいたします。 |
また、本フォーラムの共同ディレクター2人による、至善館の学校説明会も開催されます。ぜひご参加ください。
Special Online Information Session for “Circular Economy”
講演者: 加藤 佑氏(ハーチ株式会社 CEO)、坂野晶氏(一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン代表理事) 日 時: 2025年5月20日(火)19:00-20:00 場 所: Zoom 言 語: 英語 イベント詳細と申し込み: こちらよりお願いいたします。
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