第6回インパクト・ナイト:インパクト創出への情熱が交差する場所(インド・グラミン・キャピタルCEOロイストン氏登壇)
2025年06月04日
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5月23日(金)、第6回インパクト・ナイトが日本橋キャンパスで開催されました。今回はシリーズ初となる全編英語での実施で、インパクトを軸に、セクターや領域を超えた知見と情熱が交錯する空間を生み出すため、多様な参加者が集いました。本イベントは、大学院大学至善館 副学長の鵜尾 雅隆 教授のリードのもと開催され、社会イノベーション、インパクトファイナンス、持続可能な開発に情熱を持つ人々が一堂に会しました。

 

第1部では、Grameen Capital India CEOのロイストン・ブラガンザ氏が登壇。「SDGsの目標達成に向けた進捗はわずか15%にとどまり、多くの分野で後退が見られる」と現状の厳しさを指摘しながらも、希望あふれるメッセージと、今取れる具体的なアクションを示しました。

 

ロイストン氏は、インドにおけるインパクトボンドやインパクト投資の活用事例を紹介し、住宅、農業、気候変動への強靭性、障がい者の社会参加、教育、金融アクセス、ジェンダー平等、健康、雇用など、さまざまな分野での持続可能な開発への取り組みについて語りました。同時に、インドがスケーラブルな解決策の“実験場”になりつつあることをデータをもとに提示しました。

 

第2部では、2名のゲストを加えて対話が行われ、議論がさらに深まります。

 

まず、カンボジアのKhmer Enterprise CEOのDr. Vanmunin Chhiengが登壇し、カンボジアの新興インパクトスタートアップ・エコシステムについて紹介。急成長する経済の中でソーシャル・エンタープライズ文化を築く挑戦と可能性について語りました。

 

続いて、笹川平和財団常務理事の安達 一氏が登壇。自身の経験をもとに、インパクト投資の推進と女性起業家の支援という2つの柱を中心に、フィランソロピー団体が持続可能な変革の触媒になり得ることを示しました。

 

その後、20分間のネットワーキング・セッションが行われ、参加者はセクターや国境、所属企業を超えてつながり、今後の協業や課題解決への意欲に満ちた対話が繰り広げられました。

 

最後のラウンドでは、再びロイストン氏が登壇し、会場との活発なQ&Aセッションが繰り広げられました。インパクト投資の技術的な仕組みから、インド、カンボジア、日本、ヨーロッパ、アフリカといった各地域の事例に至るまで、参加者からは多様な質問が寄せられました。ロイストン氏はそれら一つひとつに対し、明るい未来を感じさせる前向きな回答を重ね、会場は大きな刺激とインスピレーションに包まれました。

 

今回のイベントは、英語開催としては初めてのインパクト・ナイトとなり、大学院大学至善館のグローバルな取り組みにおける大きな一歩となりました。グローバルな視点を持つリーダーの育成に対する強いコミットメントを示すとともに、違いを乗り越えた対話こそが、世界が直面する課題に立ち向かう上では、いかに重要であるかを体現する場となりました。

 

 

”インパクトナイト”とは

Impact Nightは、インパクトビジネスの創設者やエコシステム形成者との対話をきっかけに、セクターや領域を超えた知見と情熱が交錯する空間を生み出すことを目的とした対話型セッションです。

インパクトを生み出したいと真剣に考える人たちの集いとするため、一般公開やSNSでの参加募集をせず、過去参加者の紹介制と協力ネットワーク組織で参加者を募る「セミクローズド型」のイベントです。

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