グローバル戦略とM&A
2021年12月13日 (月) 19:00〜20:30
講師:塩川 哲也(大学院大学至善館 副学長、教授)
現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による世界経済の不透明感は徐々に払拭され、企業経営者はコロナ後の戦略の見直しに迫られています。
コロナ後もこれまで同様、企業合併・買収(M&A)はグローバルに自社を成長させるためには戦略上不可欠な手段です。インフレを巡るマクロ経済への懸念や各国の課税政策や規制監視の強化などの不安要素はあるものの、2022年に向けて世界のM&A市場は活況を呈すると予想されています。
近年、日本企業による“In-out” M&A(日本企業による海外企業の買収)は件数、サイズ共に近年増加傾向にあります。しかし一方で、M&Aディールの80 %は失敗に終わっていると言われています*。なぜこのような失敗が起きるのでしょうか?いかにして我々はM&Aを成功に導き、グローバル戦略を有効に実行できるのでしょうか?
VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, and Ambiguity)と言われる先行きが不透明な時代において、企業がM&Aを成功に導くためには、グローバル戦略を計画・実行するための組織能力を向上させることが極めて重要です。本体験授業では、過去におこなわれた世界のM&Aの事例を検証し、その失敗の根本原因を紐解きます。その中で、COVID-19後のグローバルM&Aの成功要因とはなにか、リーダーの役割と責任とはなにか、について探求していきます。
*日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34745530Z20C18A8000000/) |
塩川 哲也 Tetsuya Shiokawa
大学院大学至善館 副学長、教授
元Xerox Corporation 在日代表
元富士ゼロックス監査役
ラーニングエッジ株式会社 社外取締役
和以美株式会社 社外取締役
NASCインターナショナル株式会社 顧問
1983年京都大学法学部卒業後、三井物産入社。食料本部にて飲料用アルコール輸入などに携わる。1996年ハーバードビジネススクールにてMBA取得。帰国後、三井物産食料本部の投資戦略リーダーとして関係会社の統括管理とM&Aを行う。1999年、三友食品と小網の合併をリードし、合併会社は現在の三井食品となる。2000年よりGE Capital にてM&Aに従事、買収及び売却の双方の案件をリードする。2006年GE Fleet Services 取締役副社長として営業とマーケティング担当。2007~2019年11月Xerox Corporation在日代表に転じ、富士ゼロックス監査役を兼任、富士ゼロックスの経営管理全般に携わる。2017~2018富士ゼロックスとXeroxの合併案件に深く関わるも、案件成立せず。日本企業とグローバル企業双方での経験を生かし、グローバル企業経営とリーダーシップのあり方を体得。次世代の全人格リーダー育成に強い関心を抱き、2017~18年至善館設立に携わり、現在に至る。