VUCAの時代にぶれない軸をつくる
「東洋思想にみるリーダーシップ」入門
講師:枝廣 淳子(大学院大学至善館 教授)
(イベントは終了いたしました。)
なぜ、東洋思想がリーダーシップ教育に必要なのでしょうか?
幕末の思想家・佐久間象山は、「東洋道徳、西洋芸」と言いました。ここでいう「芸」とは、アート、つまり、技術だと考えて良いでしょう。「西洋には技術はある。しかし、その技術を使いこなすための人間の心=道徳は東洋にある」という意味です。
これまで西洋近代思想が世界を席巻してきました。西洋近代思想の、要素還元主義、理性万能主義、計数至上主義、主体としての人間の理性と客体として対象となる存在を分ける二元論などが、グローバルガバナンスの機能不全を引き起こし、環境問題や様々な社会課題をつくりだし、人間と文明と地球のサステナビリティを危うくしているのではないでしょうか。
そのとき、様々なものを全体として捉え、主客一致、見えないものを見ながら、根本に還る東洋思想の果たすべき役割があるのではないか、と考えます。
中国古典を中心とする東洋思想は、かつては日本人の教養の根幹でした。江戸時代末期の人材養成機関であった藩校や2,000あったと言われる私塾で教えられていたのは、儒学を中心とする東洋思想でした。
人間とは何か。人間性とは何か。人としてあるべき姿とはどのようなものか。宇宙とは何か。宇宙はどうやって成り立っているのか。そういった問いを深く深く掘り下げ、自己修養を通じて、あるべき姿に近づいていこうという、生きた人間学・リーダーシップ育成論がここにあるのです。
このような問題意識を持っている方は、ぜひご参加ください。 ・ 東洋思想とはどのようなもので、なぜリーダーに必要とされるのか?
大学院大学至善館は、西洋と東洋の橋渡しをし、西洋近代思想が行き詰まる現代において、持続可能で包摂的な未来を実現するための新たなリーダーシップ教育を発信しています。至善館のMBAプログラムには、東洋思想を学ぶクラスがあり、これまでの西洋のリーダーシップ教育にはない視点からリーダー育成に挑戦しています。 |
枝廣 淳子
Junko Edahiro
有限会社イーズ 代表取締役
株式会社未来創造部 代表取締役社長
幸せ経済社会研究所 所⻑
有限会社チェンジ・エージェント 会⻑
東京ガス株式会社 社外取締役
東洋と西洋の知の融合研究所 主席研究員
東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。
『不都合な真実』(アル・ゴア氏著)の翻訳をはじめ、環境・エネルギー問題に関する講演、執筆、企業の CSR コンサルティングや異業種勉強会等の活動を通じて、地球環境の現状や国内外の動きを発信。持続可能な未来に向けて新しい経済や社会のあり方、幸福度、レジリエンス(しなやかな強さ)を高めるための考え方や事例を研究。「伝えること」で変化を創り、「つながり」と「対話」でしなやかに強く、幸せな未来の共創をめざす。
また、システム思考やシナリオプランニングを生かした合意形成に向けての場づくり・ファシリテーターを企業や自治体で数多く務め、意志ある未来を描く地方創生と地元経済を創りなおすプロジェクトにアドバイザーとしてかかわっている。