【開催報告】ヘンリー・ミンツバーグ教授を迎えて|2025年5月20日
2025年05月27日
プレスリリース
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2025年5月20日、ISL至善館キャンパス(東京 日本橋)にて、経営戦略・マネジメント分野における世界的権威、
ヘンリー・ミンツバーグ教授をお迎えし、特別セッションを開催しました。ミンツバーグ教授はカナダ・マギル大学に所属する経営学者であり、従来のビジネス教育や組織論に対して鋭い批判を展開し続けてきた思想家として、長年にわたり世界中の研究者や実務家に影響を与えてきました。

 

今回のセッションは、講義形式ではなく対話形式で行われ、至善館の学長・野田智義教授と副学長・吉川克彦教授がホストを務めました。当日参加をしたISL・至善館の学生、教員、アルムナイたちにとって、ミンツバーグ教授の挑戦的かつ示唆に富んだ思考に直接触れる貴重な機会となりました。

 

ミンツバーグ教授は、「戦略とは綿密に練られた計画である」という一般的な見方に疑問を投げかけ、むしろ優れた戦略は、時間をかけて行動と学びの中から自然に形づくられるものだと語りました。これは、戦略・組織設計・リーダーシップに関する「常識を打ち破る」試みであり、多くの参加者に新たな視点を与えました。

 

また、同教授が提唱するマネジメント論は、人間関係を基盤とした実践的で全体的な視点に立っており、日々のリーダーシップにおいては「共感」「判断力」「謙虚さ」が重要であると強調しました。上から命令するリーダーシップではなく、内側から支える静かなリーダーシップの価値を訴えた点も印象的でした。

 

さらに、ミンツバーグ教授は、MBA教育に対する長年の批判についても率直に語りました。多くのMBAでは「人や組織のマネジメント」ではなく、「遠くからビジネスを分析する能力」ばかりが重視されているとし、現代におけるビジネス教育の在り方について、参加者との間で活発な議論が交わされました。

 

最後に教授は、日本のマネージャーが直面している課題と可能性について、深い洞察とともにコメントを寄せ、セッションを締めくくりました。

 

この日のセッションは、単なる学術的な講演を超え、戦略・経営・リーダーシップの見直しを促す強烈な問いかけとなりました。激動の時代において、私たちが何を大切にし、どう組織や社会を導くのか。そのヒントがありました。

 

 

 

 

当日の様子は、日本経済新聞でも紹介されました:
「米国の資本主義は危機」経営学の権威ミンツバーグ氏、日本にも警鐘(2025年5月22日)

 

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