【社会イノベーション創出奨学金 奨学生インタビュー】 第8期生 籔内 龍介さん「地域の現場から、資本主義の未来を問い直す――至善館のMBAプログラムで磨く経営リーダーとしての哲学」
2025年10月31日
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社会イノベーション創出奨学金は、社会課題解決に取り組み、社会イノベーションを生み出そうとする実践者の方を対象とする奨学金です。今年8月に入学をした、奨学生第2号の籔内 龍介さんにお話しを伺いました。

 

 

– まずは、自己紹介をお願いします。

 

山口県宇部市の出身で、宇部高専、そして豊橋技術科学大学で理系の教育を受けてきました。大学在学中に起業し、現在は、愛知県内で株式会社Liremというイノベーション支援会社と一般社団法人 火-Okoshi という教育系団体で代表をしています。ProfitとNon-Profitの両輪で活動しながら、個人の「やりたい(Will)」を体現しながら生きていける地域・社会をつくっていきたいと思っています。

 

​​​​− なぜ至善館に出願しようと思ったのですか?

 

経営している会社は今年5期目に入りました。創業当初は「社長ってかっこいいな」という、正直ミーハーな動機が先行していましたが、事業を続けていくうちに、「経営者としてどうあるべきか」「社会に対してどう貢献していくか」という問いが深まり、経営哲学の重要性を痛感するようになりました。

至善館の教員の方に紹介をされて初めて、至善館について知りました。最初は、忙しい経営の傍ら、MBAで学ぶなんて「スケジュール的に無理だろう。」と思いました。しかも、主な勤務先が愛知県なので、日本橋まで通うことも現実的ではない、というのが第一印象でした。

しかし、至善館のウェブサイトを見た時に「社会を変える次世代リーダーの育成」というミッションが目に入り、強く惹かれました。さらに調べるうちに、自分が目指す姿と至善館のプログラムの方向性が見事に合致していました。東洋と西洋を橋渡しするというコンセプトにも魅力を感じ、自分の経営哲学や理念、これから社会とどう対峙すべきかについて思索を深める絶好の機会だと直感し、出願を決意しました。

 

− 入学されてからまだ2ヶ月ですが、これまでにどのような学びや気づきがありましたか?

 

至善館での学びはすでに、私の事業や行動に大きな変化をもたらしています。プログラムでは、個人として、そして経営者として「自分はどう考えるのか」を常に問われます。私は、すべての意思決定に自らの経営哲学が反映されると考えていますが、授業で扱う多様で本質的な問いを通じて、その哲学を様々な角度から磨くことができています。現在は、至善館で得た学びをもとに、自社で提供しているプログラムの内容を、自分のアップデートされた経営哲学に沿って見直し、再構築する作業に取り組んでいます。

また、リーダーシップ・ナイトに登壇された川添高志さんのお話から、「経営哲学」を追求することの重要性を改めて実感しました。経営者自身の哲学を徹底的に掘り下げ、それを体現することで、どんな事業も独自性を持ち、社会で価値を発揮できる——その言葉に強く影響を受けました。川添さんが日報を日々書かれていると聞き、私もその日から実践を始めています。

一方で、至善館には、ビジネスパーソンとして高い経験と知見を持つ方々が多く在籍しています。授業では、知識量や発言の質の高さに圧倒されることもありますが、それが刺激となり、経営者としてさらに成長していかなければと感じています。

 

− 2年間の抱負をお聞かせください。

 

私は至善館の学びを通じて、「資本主義を見直し、人がその人らしく豊かに生きていける社会を創る」という大きなテーマに取り組みたいと思っています。これまで資本主義は「お金を増やすこと」に偏りがちで、儲けを目的とするあまり、環境破壊や過剰な資源の消費に繋がる側面があったと思っています。

私は今年、新たなチャレンジとして、資金調達をする際に、スタートアップでよくあるベンチャー・キャピタルからの出資ではなく、一般の支援者の方々から資金を募る「DPO(直接公開買付け)」を活用した資金調達を実施しました。これは、エグジットを目的とした出資を集めるのではなく、「私たちの企業が実現したい社会をつくる」というミッションに共感してくれた人々から直接出資を募る仕組みです。このDPOによって、約3,000万円の資金調達を成功させ、地域の中小企業経営者の方々や自治体関係者、友人まで、36人もの方々がこの新しい試みに参加してくれました。今後も、このように、至善館での学びを体現できるように、勉強だけで終わらず、経営者として、学びを実践していくことにこだわっていきたいと思っています。

 

− これから至善館を志願する後輩に向けて、一言お願いします。

 

私は、至善館に来て本当に良かったと思っています。

若い経営者の方にとって、至善館での学びは有益だと思います。若手経営者が成長の場を探すとき、よく「ビジネスプランコンテスト」とか「ピッチ大会」などに参加することが多いですが、ビジネスプランやビジネススキルだけを磨いても、経営者としては豊かになれないと、私は思います。

経営者としての深みを獲得するには至善館が最適だと思います。MBAプログラムの中に東洋思想が入る学校は、本当に珍しいと思います。私も、自分なりの経営哲学を身につけ、「経営者としての器」を広げることで、地域だけに留まらず、グローバルな視点から事業を捉えられるようになりたいと思っています。

 

(2025年10月9日)

 

 

【参考リンク】

 社会イノベーション創出奨学金の募集

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【お問い合わせ】

 大学院大学至善館 アドミッション事務局

 住所: 〒103-6117 東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング17F

 E-mail:admissions@shizenkan.ac.jp

 

 

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