
「自分が持っている『ハンディキャップ』だと思っているものを、逆に強みに変えてください。」
12月15日(月)に開催された「Leadership Night」には、「ウーマノミクス」の提唱者であり、MPower Partnersのゼネラル・パートナーを務めるキャシー松井氏が登壇しました。当日は、至善館の学生であるArwaさん、水谷さんがモデレーターを務めました。
セッションでは、移民二世として農場で育った幼少期から、金融業界のパイオニアとなるまでの軌跡が語られました。バブル崩壊直後の日本の金融業界に飛び込んだ松井氏は、女性・外国人・若手という「マイノリティ」として数々の壁に直面します。しかし、周囲と同化するのではなく、「自分にしかできない視点」で差別化する道を選びました。
当時はほとんど注目されていなかったガバナンスや女性の労働参加に光を当て、自身のハンディキャップを独自の「武器」へと転換していった松井氏は、「『仕方がない』という言葉が一番嫌い。現状を諦めず、変える方法を常に考えてきた」と振り返ります。
次世代リーダーへのアドバイスとしては、「組織には、不満を言うだけの人と、解決策を提案する人がいる。ぜひ後者になってほしい」と強調。現在は、ESGを重視するVCファンドを通じて、経済的リターンと社会的インパクトの両立に挑んでいます。
セッションの締めくくりに、松井氏が最も大切にしている価値観として挙げたのは「Empathy(共感)」でした。「分断が進む世界だからこそ、異なる立場への想像力が必要」と語り、「自分が来た時よりも、少しだけ世界を良くして去る。それが私のゴールです」という力強いメッセージを送りました。

| 「リーダーシップ・ナイト」とは
至善館の正式科目「リーダーシップの旅を展望する」の一環として、毎月1回、日本語セッションと英語セッションを一部外部にも開放して実施しています。 各界の第一線で活躍するリーダーをゲストに招き、その方々のリーダーシップ・ジャーニーを伺うことで、参加者が自身の未来を展望し、自らのリーダーシップの旅を見つめ直す機会としています。 至善館の学生にとっては、潜在的なロールモデルやサポーターとなりうる実践者(挑戦者)との出会いの場にもなっています。 |
