11月6日、ISL・至善館は、ホワイトハンドコーラス芸術監督でソプラノ歌手のコロンえりかさんをお迎えし、「音楽による社会的包摂への挑戦」と題して、深い感動と示唆に富んだお話を伺いました。
コロンさんはベネズエラで生まれ、10歳から日本で育ちました。大学時代から聴覚障がい児の音の知覚に興味を持っていました。コロンさんは、インクルーシブな社会づくりに向けての課題についてプレゼンテーションした後に、6歳から18歳までの子どもたちのためのインクルーシブ合唱団「ホワイトグローブコーラスNIPPON」の活動を紹介しました。ホワイトハンドコーラスは2017年から日本で活動しており、ベネズエラでは貧困層の子どもたちに音楽教育を推進するプログラム「エル・システマ」の活動の一環として始められました。合唱団員には難聴や視覚障がい、発達障がいを抱えている子どもや車椅子の子供が所属し、音楽は手話や表情の変化で歌う(手歌)サイン隊と、声で歌う声隊によって演奏されます。
コロンさんは、障がいのある子どもたちを音楽の世界に導いた経験やストーリー、そして今後の挑戦を語りました。
写真家とのコラボレーションによる写真展、絵本ムービーの制作、新国立劇場でのオペラ上演など、障がいのある人たちとともに創り上げるさまざまな芸術活動を通して、障がいのある人たちが活躍できるインクルーシブな社会の実現を目指しています。
当日は、至善館の学生や卒業生との意見交換の場が設けられ、コロンさんとの質疑応答も行われました。